[体験レポート]西武鉄道キッズクラブ✖️ふぃっしゅいんてりあ 東村山で、アジをつかんだ日
つかんで、食べて、「いただきます」を知る!
東村山で、生きたアジをつかんで、食べる。そんなちょっと意外な親子体験があると聞き、8月27日、6歳の息子と参加してきた。会場は、市内で魚介類の卸売などを手がける「ふぃっしゅいんてりあ」さん。魚を追いかけ、つかみ、自分たちの食卓に届くまでを知る。親子で過ごした数時間は、いつもの「いただきます」の向こう側をのぞく時間になった。
逃げるアジを追いかけて、いざつかみ取り

「東村山で、アジのつかみ取り? マジ?」
西武鉄道キッズクラブの企画を見たとき、正直そう思った。
会場は、市内の魚介類卸売企業「ふぃっしゅいんてりあ」さん。
6歳の息子と、二人で参加した。
まずは水槽に入って、泳いでいるアジを追いかける。
最初は広い水槽の中を逃げ回る魚を追い、その後は少しずつ泳ぐ範囲を狭めながら追い込んでいく。ちょっとした「追い込み漁」のような形式だ。
子どもは、生きたアジが目の前を泳いでいるだけでも楽しそうだった。

だが、いざつかむとなると、思うように手が出ない。勇気を出して手を伸ばしても、アジはスルリと逃げていく。
1尾目、2尾目は、結局私が捕まえて手渡した。
このまま終わるかと思っていたら、3尾目。
何度も逃げられながら、最後は自分の手でしっかりとアジを捕まえた。
「うぉ〜! とった〜!」
「3尾目、自分で獲れてどう思った?」と聞くと、
「超うれしかったし、超楽しかった!」
6歳なりの、精一杯の答えだった。

さっきまで泳いでいたアジを、今度は自分で食べる
着替えた後は、「池場(いけば)」と呼ばれる、仕入れた魚を生きたまま管理する水槽を見学させてもらった。
カンパチやイサキ、サバが悠々と泳ぐ姿に、東村山にこんな場所があったのかと驚いた。何年も住んでいるまちなのに、市内でこれだけの魚が生きたまま集まっている場所を見たのは、これが初めてだった。

そして待望の食事。
アジフライ、なめろう丼、アジの中骨を揚げたせんべい、味噌汁、さらに湯葉まで並んだ。
この湯葉、実は「ふぃっしゅいんてりあ」さんの自社製造。魚介類を扱う会社が湯葉までつくっている。その意外な組合せも面白かった。

そして、自分でつかんだアジが、今度は料理になって目の前にある。
子どももパクパク食べていた。特に気に入ったのは中骨せんべい。さっきまで恐る恐るさわっていた魚を、今度はおいしそうに食べている。
つかまえるところから食べるところまでが、子どもの中で一本につながっているように見えた。

つかんで、食べたから分かった。「いただきます」の向こう側
食事のあと、敷地内にある供養塔に手を合わせた。
そこで聞いた、ふぃっしゅいんてりあの部長さんの話が印象に残った。
私たちは、生きている命をいただいて生かされている。さっき食べた味噌汁の大豆も、湯葉も、米も、アジも、もとをたどればみんな命だった。
そして、そのひと皿が食卓に届くまでには、魚を獲る人、買う人、餌をつくる人、運ぶ人など、たくさんの人が関わっている。
自分の手でアジをつかみ、それを食べたあとに聞いたからこそ、その話は実感として強く残った。
「いただきます」という言葉を、息子がどこまで理解したのかはわからない。
でも、生きた魚にふれ、それを食べるという体験は、言葉だけで教えるよりも、ずっと何かが残るような気がした。

親子で知った、東村山の意外な一面
イベント後、「ふぃっしゅいんてりあ」さんのスタッフに聞くと、今回のイベントは西武鉄道さんからの提案ではじまったそうだ。
西武鉄道さんの担当者は、沿線にある面白い企業を知ってもらう機会として、こうした親子向けイベントを今後も続けていきたいと話してくれた。
私も今回のイベントがなければ、東村山にこんな会社があることも、「ふぃっしゅいんてりあ」さんがベトナム・ハノイにも拠点を持っていることも知らなかった。
鉄道に乗っているだけでは出会えなかった、まちの一面を親子で体験しながら知る。そんな機会を、西武鉄道がつないでくれたのかもしれない。
帰り道、子どもがぽつり。
「次はマグロをつかみたい」
つかめるかどうかはさておき、さすがに東村山で生きたマグロは難しいかもしれないね。
アジをつかみに来ただけのつもりが、食卓の向こう側を知り、気づけばハノイまで見えていた。
東村山というまちには、まだまだ知らない一面が、きっといくつも残っている。

※西武鉄道キッズクラブは、は0歳~小学校6年生までのお子さまを対象とした会員サービスです。詳しくは西武鉄道キッズクラブのWebサイトをご覧ください。
撮影|田島ふみえ(街の写真館 東村山)
